季節の整体 春の変化と花粉症
花粉症について
今年は春の訪れが早いようで、おかげ横丁にもウキウキした気分の観光客の人々の姿が。
春といえば花見・入学式・菜の花・ひなまつり…
整体では春といえば骨盤が開いてくる時期。
普段から体が整い「整体」に近い人は春らしい陽気を感じてウキウキした気分になっているでしょう。
これとは逆に普段から体の鈍い、偏りがある「不整体」の方々は、この時期は気が上に上がり「足が地についていない」感じでザワザワした不快な気分になっているでしょう。
いわゆる上虚下実(じょうきょかじつ)ではない状態です。
本来なら春というのは、寒い冬から暖かくなり、体も心も緊張が弛んでくるのが自然な状態です。
しかし、前記したように「不整体」の方々は毎年、春の訪れを不安な気持ちで暮らしているようです。
その理由は一般的にいう「花粉症」の症状に例年、悩まされているからです。
花粉症とはいったいどんな病気なのでしょうか。
花粉症とは、スギやヒノキなどの植物の花粉が原因となって、くしゃみ・鼻水などのアレルギー症状を起こす病気です。
季節性アレルギー性鼻炎とも呼ばれています。アレルギー性鼻炎は、原因物質(アレルゲン)の種類によって2つに分類されます。
現在、日本人の約38.8%*がスギ花粉症だといわれています。
*松原 篤ほか:鼻アレルギーの全国疫学調査2019(1998年.2008年との比較):
速報-耳鼻咽喉科医およびその家族を対象として-. 日耳鼻 2020;123:485-490.
現代医学的な見解として花粉症は、スギやヒノキの花粉などが原因で起こる、アレルギー(抗原抗体反応による過敏症)であるというのが定説です。
たしかに、そのような一面があることも認めながらも、ここでは整体的な観点から花粉症について書いていきます。
アレルギー検査を受けてみたら実は花粉症じゃなかった
毎年、花粉の時期になると生活や仕事に支障がでるくらい、クシャミ、鼻水が止まらなかった佐藤さん(仮名)
今回は意を決してアレルギー検査を受けてみたら、実は花粉症じゃなかったという驚くべき展開。
実は「花粉症」だと自ら決めつけている方々って病院のアレルギー検査を受けたことがない方が多いのも事実なんです。
アレルギー検査を受けたことがある佐藤さん(仮名)によると、調べる項目数もあげればキリがないらしいです。
まぁ当たり前といえば、あたりまえ。食べ物のアレルギーもあるわけですから。
基本的な6項目の検査があるらしいのですが、それが下記の1~6の項目。
1かもがや
2ぶたくさ
3すぎ
4ヒノキ
5ヤケヒョウヒダニ
6ハウスダスト
(検査費用は保険適用)費用は約3,000円
アレルギー検査は『耳鼻科』『皮膚科』
検査方法は血液検査。
以上
結果は陰性でアレルギー検査では「花粉症」ではなかった…
佐藤さんとしては納得がいかずに担当医の先生に食い下がるように説明を求めたが
先生の口から出るのは「汚染物質」か「他の何かの原因」の可能性もあるとのこと。
もしかすると、ただの鼻炎かもとも言われたらしく憤慨していました。
まぁ私からすれば、なぜそんなにも「花粉症」と診断して欲しいのがが、そもそも不明なんですが。
病院の検査をしてもアレルギー反応が出ない。じゃあ一体何が「花粉症」のような症状を引き起こしているのか?
冬の間に体が何らかの理由で硬張っていたことが原因
結論から言うと冒頭で書いたように「不整体」の体が花粉症のような症状を引き起こしているのです。
そもそも人間の体は、四季折々の大自然の姿のように、季節ごとに合わせて変化しています。
エチゴノウサギやライチョウは、夏にはかっ色だった毛や羽根が、
冬になって雪が降ると、ほとんど抜け落ちて、白色の毛や羽根がはえてきます。
このように人間も動物も自然の中で生きる仲間ですから、季節と生物というのは、切っても切れない深い関係があるのです。
日本には明確な四季がありますが整体では季節を春 ・ 梅雨 ・ 夏 ・秋 ・ 冬の五季あるという考え方をします。
本来は 二十四節季のように、もっと細かく分けて観察することもできるわけですが。
そして、実は人間の体の変化も季節の変化を先取りしているかのように働いています。
春に向けた最初の体の変化は、まだまだ寒い1月中。
1月上旬 後頭部が弛みます
頭蓋骨というのは、一つの大きな骨ではなくて、いくつもの骨が組み合わさってできています。
そのつながり目を縫合部といいますが、その縫合部が弛んで広がってくる。
2月 肩甲骨から骨盤に向かってさらに弛みます。
3月の春分の頃 弛み始めた骨盤が開いて上に上がっていきます。
春になりますと野生を取り戻し、性エネルギーが旺盛になって、
自然に「ウキウキ、ソワソワ」としてくるものですが、
そもそも、その理由は体の自然な働きによる、これらの骨盤の変動があるからなのです。
冬の間に身体が何らかの理由で硬張っていた方は、
上記のように後頭部→肩甲骨→骨盤と弛む流れが途中でつかえてしまい、
骨盤まで上手に弛まなくなってしまうことがあります。
それらの理由は色々とありますが、いわゆる、冷えのぼせの状態になっています。
また「体の乾き」水分不足(寒の水の補給をしていない)などがあります。
秋、冬 ~ かくれ水分不足 上手な水分のとりかた | 伊勢の整体道場 愚狂庵 (gukyouan.com)
1月上旬から花粉症のような症状が出る人がいる
この頃は花粉が飛んでいないにも関わらずに、軽い花粉症のような症状が出る方がいます。
これは上記したように1月上旬 後頭部が弛み始めていながらも、その動きが滞り、どこかでスムーズにいかなくて
眼鼻の粘膜の異常となり症状が出ることが多いものです。しかし、この時期には、深刻な辛い症状になることは、あまりありません。
本当に辛い深刻な症状が現れるのは上記した2月 肩甲骨から骨盤に向かってさらに弛む時期です。
よく 「寒いと肩が縮こまる」なんていいますが、冬の時期、肩甲骨は、背骨の方へ寄って少し上に上がって固まっています。
それが、2月になると肩甲骨がスルスルと下にさがってきて、羽ばたく鳥の翼のようにフワッと外に広がってきます。
この変化がうまくいかない人が、いわゆる花粉症になる人です。
肩甲骨は連動していて頬や鼻の骨(顔面頭蓋)と一緒に動きます。
だから肩甲骨が弛み始めると頬や鼻の骨(顔面頭蓋)も弛もうとするのです。
しかし、それがスムーズにいかないので自然な体の要求として
グジュグジュと涙や鼻水を出したり、クシャミを出したりして、
その鈍い偏った部分を正常にしたいという、体の正当な働きが起こるのです(活元運動ともいえる)
しかも、肩甲骨がこわばっていると、頚から上の気や血行が自然な状態ではなくなります。
冒頭でも書きましたが、「不整体」の方々は、この時期は気が上に上がり「足が地についていない」感じで
ザワザワした不快な気分になっているのです。いわゆる上虚下実(じょうきょかじつ)ではない状態です。
特に気と血が降りなくなり、充血 ・ 鬱血傾向になります。それが目鼻の粘膜などに充血や炎症になる原因です。
後頭部はゆるんで、春の仕様になっているのに、肩甲骨が開いてくれないので、そこに相当な歪みがあるわけです。
体からすると自然な働きではなくて、矛盾が存在するといえます。
ただ整体も自然体であるための稽古ですから、去年は上手くいったけど(花粉症のような症状が出ない)
今年は上手くいかなかったということも、あり得るわけです。
だから、あまり深刻にならずに季節の整体の実践をしていきながら徐々に上達、
成長していくことを心がければ良いのはないでしょうか。
体が整えば花粉症になる必要はない
肩甲骨が自然に開いてくると「花粉症」の症状は嘘のように、すっかり消えてなくなります。
または段々と症状が軽くなり「今年は花粉が少ないんだろう」くらいの気持ちで春を終えてしまうこともあるようです。
花粉症の症状は、鈍い不整体な体が必要に応じて春の体に変化するために「花粉を活用している」のです。
体が自然のリズムを取り戻して「整体」になれば、花粉症になる必要はありません。
そういう体の自然を取り戻すことなしに、「やれ抗アレルギー剤だ、やれ何々だ」、と薬で対処してみても
花粉症が治ったら、アトピーになったとか、ぜん息になったとか、病気のもぐら叩きゲームをしているだけで、いつまでたっても根本的な解決にはなりません。
その結果、もしすべての症状を押さえ込んだとしたら、その原因はどこに行ったのでしょうか。
綺麗サッパリなくなったら良いのですが、もっと深い異常や重い病気となって、潜伏していては困りませんか。
いずれにしても、いつの日か抑圧されたモノは必ず浮かび上がってくるのですから。
「体を自然な状態に整えていくこと」、「体の本来持っている自然の働きを十全に発揮すること」
それが健康に生活する上で、最も基本となる整体の考え方です。
ですから花粉症で悩まれてる方々は、これを機に自然な体を取り戻すことを考えてみてはいかがでしょうか。
春が過ぎれば自然に花粉症のような症状は、おさまってきますが根本的な解決にはなりません。
来年も同じように、いや、もしかすると酷い症状になる可能性もあるわけです。
体を自然な状態に整えていく稽古事として整体を学びたい方は、ぜひ野口整体を指導している
伊勢市の整体道場 愚狂庵へお気軽にご相談ください。