本当の自己実現とは - 整体によるアプローチ
「私らしさ」を育てる 体の学び直し
整体とは「体を整えることで、私らしく生きる」という思想が形となったものです。
私には玄龍らしさがあります。そして人それぞれに皆、自分らしさがあります。
意識を静め、身体の感受性を豊かにし、自身の裡なる要求に気づくことで自発的な生活が実現します。
そして自分の中に備わっている力を自覚し、これを余すことなく使っていくことで身体だけでなく生活自体が整っていきます。
そうすることで自ずから心も整ってきます。自分の心や体は、いまどうなっているのか?
「身体の慢性的な不調に悩まされている」
「薬を飲んでもよく眠れず、まったく気分がよくならない」
「自分の感情がわからない(喜怒哀楽の感情の起伏が感じられない)」
「自分がどうしたいのか、どのように生きればよいのかわからない」
上記のような方々が数多く私のもとへやってきます。
十人十色の悩みはありますが、共通しているのは社会での生きづらさを抱えている。そのように思えます。
生きづらさを自覚できない方々も多く相談にきますが、その方々に共通することがアルコール依存症、ドラック依存症、過食症、拒食症など現代のアディクションの問題を抱えていることが多い。
また精神疾患を訴える方々も相当数います。
「うつ・(不安)神経症・自律神経失調症」といった心と体の両面にまたがる疾患が数多く目立ち、特に青年期~中年期にかけて自身の生き方について長期にわたって悩んだり、予期せぬ病気にかかったことをきっかけに自分の心や体、死に対する不安を抱える方も少なくありません。
私は、このような課題を抱えている様々な身体の不調や違和感、また抑うつや不安、意欲がわかないといった心のバーンアウト(燃え尽き症候群)など、心身両面の問題に自ら向き合おうとする方を対象に整体を行うことができて感謝しています。
伊勢の整体道場 愚狂庵はマッサージや按摩ではないので、そういう施術を希望される方々は初めからお断りしています。
私が目指している整体とはこうした症状を治す(消す)のではなく、体を整えて病症体験を本人が自覚して経過することによって心の在り方をパラダイムシフトしてもらい人間の生き直し、より深い自己実現を成し遂げて共に生きることを目標としているからです。
それは私の経験から学んだことでもあります。
整体の目的はその人らしく、「よく生きる」こと
ある意味で整体とは足し算ではなく、引き算です。
今までの人生で溜まりにたまった「思い込み」などを手放していく創作活動ともいえます。
整体の目的は体を整えることで自身に潜在している力を見つけ出し、十分に生きてていくことにあります。
心身の変化にともない自身にとって「よりよく生きる道」に導かれて、充実した人生を創造していくこと。
そのためには先ず「体が整っているとはどのような状態か?」ということを自分の身体を通じて体験的に理解していくことが必要です。
心でいえば判断なく感じること。ありのままを感じていくことが大切です。
意識にはdoing mode(することモード)・being mode(あることモード)と2つのモードがありますが自分らしく生きるために不可欠なのはbeing mode(あることモード)です。
ここでの「整っている」とは健康診断で検査が正常の数値だったとか、そういう話でありません。
風邪を引かないことが整っているわけでもありません。
※逆に風邪は自分の体を整えるための大事なキッカケです
また単に背骨が真っ直ぐであるとか肩・骨盤が同じような位置であるということではなく、
個人が本来の自己の内側にある「慈悲」の感覚と同時に、「自然とそうなっている」体勢にあることです。
現代を生きる多くの方々はさまざまな思考や知識によって、身体に具わる自然の感受性を鈍らせて生活しています。
しかし人間は本来、無意識のはたらきによって何もしなくても身体は整うようにできているのです。
これを最近では自然治癒力だとか免疫の活性化などといっています。
さて、それでは、なぜ何もしなくて整うのに関わらず現代人は不整体な方々が多いのでしょうか。
それは冒頭でも書いたように、自分の思い込みなどによって本来の自然の働きを邪魔しているからです。
だからこそ「何もしなくても整う」ためには、頭のはたらきを充分に鎮め(ポカンとさせ)て、
これまで感ずることのなかった微細な身体の感覚を判断せずに味わえるように正しいエクササイズをしていく必要があります。
つまりマインドフルネス(正念)ということですが、その過程において全身のゆるみが重要な鍵となります。
「体が整う」ことで見えてくる本当の自分
現代人の多くは意識に偏ったために、「自分がどうしたいのか、どのように生きようとしているのか」といった根源的な要求に対して非常に鈍くなっています。
これは義務教育を中心に「考えること」を幼児期から訓練されることが深く関与しています。
これはdoing mode(することモード)のエクササイズだともいえます。
もちろんこのこと自体は悪いことではりませんが、現代人に圧倒的に不足しているのは判断しない感じる力です。
言い換えれば「今を感じる力」
本来生命の根本的な「要求」は意識のずっと深いところにあります。ですが、忙しい現代社会を生きる多くの人々は常に思考が過剰に働いているために、自身の「感じているもの」を味わっている時間が充分に取れないのが実状です。
そのため一時的に意識の状態を切り替えることで身体の要求に任せ、自分の無意識と向き合う場を作ることで心のバランスを回復させる必要性が高い状態にあります。
心の深層にある「要求」を知り、生を活かす
野口整体にはそうした良質の瞑想に入る方法として活元運動という無意識運動があります。
別の表現をするならマインドフルムーヴメント(運動する瞑想)になります。
これにより意識の過剰な亢進によって生み出される身体の緊張(凝りや張り)をゆるめ、普段は意識の抑制を受けて沈んでいる無意識を一時的に活性化させることができます。
あくびや寝ぐせなども無意識運動の一つです。
このときはじめて頭がポカンとし、本来の私(自己)が目覚め活発に動き始めます。
このような体験を一定期間くり返すことで本当の素直さや謙虚さ、誠実さなどが自然と溢れ出るようになってきます。
「自分がどうしたいのか、どのようにこの人生を完成させたいのか」といった根源的な要求に沿って「生き直す」ことが少しずつ可能になっていきます。
そうすることで、身体的な不調なども含めて依存症的な行いなどから解放されて自分自身を成長させ実現させていくことが可能となるのです。