【マインドフルネスの理解を深める】大脳辺縁系のおはなし limbic system

大脳辺縁系の機能・概略

大脳辺縁系(だいのうへんえんけい)は、人間の脳で情動の表出、食欲、性欲、睡眠欲、意欲、などの本能、
喜怒哀楽、情緒、神秘的な感覚、睡眠や夢などをつかさどっており、そして記憶や自律神経活動に関与しています。
  (詳細は、表の下線の部位をクリック)


大脳辺縁系のおはなし大脳辺縁系のおはなし


 

大脳辺縁系 の 主な役割 ( 機能 )

皮質/辺縁系・部位名  役割  役割
皮質 前帯状皮質 血圧、心拍数、報酬予測、意思決定、共感、情動
といった認知機能に関与。
本能や
自律神経、
記憶を司る。(感覚的思考)
大脳辺縁系 帯状回 呼吸器の調節、意思決定、共感、感情による
記憶に関与。
扁桃体 恐怖感、不安、悲しみ、喜び、直観力、痛み、記憶、
価値判断、情動の処理、交感神経に関与。
海馬 目、耳、鼻からの短期的記憶や情報の制御。
恐怖・攻撃・性行動・快楽反応にも関与。
海馬傍回 自然や都市風景など場所の画像のような
地理的な風景の記憶や顔の認識に関与。
 側坐核   快感を司っています。(GABAの産生が最も主要)

 


前帯状皮質

前帯状皮質 ( 血圧・心拍数・情動に関連する部位 )

前帯状皮質(ぜんたいじょうひしつ)は、血圧や心拍数の調節のような多くの自律的機能の他に、報酬予測、意思決定、共感や情動といった認知機能に関わっているとされています。前帯状皮質が持つそれぞれの機能は、実行 (前側部)、評価 (後側部)、認知 (背側部)、情動 (腹側部) の4つの領域に分けられます
前帯状皮質は前頭前皮質と頭頂葉の他、運動系や前頭眼野とも接続して、刺激のトップダウンとボトムアップの処理や他の脳領域への適切な制御の割り当ての中心的役割を担っています。
 大脳辺縁系のおはなし
前帯状皮質の位置
出典画像:Anatomography


帯状回

帯状回 ( 感情形成・呼吸・感情による記憶に関連する部位 )

帯状回(たいじょうかい)は、大脳新皮質の内側面において、脳梁の辺縁を前後方向に位置します。
領域の下端が脳梁溝で、領域の上端が帯状溝で区切られています。
帯状回は大脳辺縁系の各部位を結びつける役割を果たしており、感情の形成と処理、学習と記憶に関わりを持つ部位。また、呼吸器系の調整感情による記憶にも関わりを持つています。
帯状回は視床、大脳皮質の体性感覚皮質領域からの入力を受けています。
また、帯状回の下部は、帯状束という白質繊維の束があり、大脳辺縁系の各領域を結びつける役割を果たしています。帯状束は、矢状方向(体の前後方向)で脳梁に沿いながら、前部帯状回、後部帯状回、海馬傍回を連絡。
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帯状回の位置
出典画像:Anatomography
記憶に関わる神経回路はPapez回路と呼ばれ、帯状回が興奮する事で海馬 → 海馬采・脳弓 → 乳頭体(乳頭体視床路を通る)→ 視床前核 → 帯状回 → 海馬傍回 → 海馬体を結ぶ経路で持続的に興奮する事で情動が生まれ記憶に関与する事が知られている。(パペッツ回路)



偏桃体

扁桃体 ( 情動反応に関連する部位 )

扁桃体(へんとうたい)は、神経細胞の集まりで情動反応の処理と短期的記憶において主要な役割を持ち、情動・感情の処理(好悪、快不快を起こす)、直観力、恐怖、記憶形成、痛み、ストレス反応、特に不安や緊張、恐怖反応において重要な役割も担っています。

味覚、嗅覚、内臓感覚、聴覚、視覚、体性感覚など外的な刺激を嗅球や脳幹から直接的に受けています。
また、視床核(視覚、聴覚など)を介して間接的に受け、大脳皮質で処理された情報および海馬からも受け取っている。偏桃体は、側頭連合野(前方部)、眼窩前頭皮質、海馬、帯状回と相互的に結合が密接。

うつ病発症のメカニズムとして、強い不安や恐怖、緊張が長く続くと扁桃体が過剰に働きストレスホルモンが分泌され長く続く事により神経細胞が萎縮して他の脳神経細胞との情報伝達に影響し“うつ病” 症状が発現すると考えられています。
また、記憶固定 (memory consolidation) の調節にも関わっていて、学習した出来事の後に、その出来事の長期記憶が即座に形成されるわけではなく、むしろその出来事に関する情報は、記憶固定と呼ばれる処理によって長期的な貯蔵庫にゆっくりと同化され、半永久的な状態へと変化し、生涯に渡って保たれる。
例えて言うと衝撃的な出来事が起こると、その出来事は海馬を通して大脳に記憶として生涯的に残ります。
また、衝撃的な記憶を反復して思い出す事により扁桃体が過剰に働くことも知られていて記憶の反復により書き換えられているという説もあります。

扁桃体の役割は、海馬からの視覚だったり味覚だったりそういう記憶情報をまとめて、それが快か不快か(好き嫌い)を判断。何かの行動が快不快感情を生んで、その情報を海馬へと送るというように、海馬と扁桃体は常に情報が行き来しています。この行き来に関しては海馬傍回がその中間として働いています。

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扁桃体の位置
出典画像:Anatomography
神経結合は、扁桃体から視床下部に対しては交感神経系の重要な活性化信号を、視床網様体核に対しては
反射亢進の信号を、三叉神経と顔面神経には恐怖の表情表現の信号を、腹側被蓋野、青斑核と外背側被蓋核にはドーパミン、ノルアドレナリン、アドレナリンの放出の信号を出しています。痛みやストレス状態になると扁桃体が興奮。前頭前野は扁桃体の興奮を鎮めるが、痛みストレスが継続的に起こる場合は、扁桃体が興奮しっぱなしとなると痛みが増幅され血圧上昇、不眠となる。体に触れることにより視床下部で合成され下垂体からオキシトシンを分泌させることにより扁桃体の興奮を鎮静化。

情動(感情)に関連した回路としてヤコブレフ回路が知られている。
扁桃体 → 視床背内側核 → 前頭葉眼窩皮質後方 → 側頭葉前方 → 扁桃体という閉鎖回路をYakovlevの回路または基底・外側回路と言います。

パーキンソン病の運動症状の出現は、Braak仮説によると、抗α-シヌクレイン抗体を用いて高齢者の中枢神経系におけるLewy小体の分布を詳細に検討し、Lewy小体はまず嗅球に出現、迷走神経背側核(延髄)、視床、その後、下部脳幹(橋)、中脳黒質、扁桃体へ上行進展して発現させる。
また、Zaccai博士の報告によると扁桃体に優位にLewy小体が分布しているとの報告もある。


 

海馬

海馬・歯状回 ( 記憶、情動、本能、統合失調症に関連する部位 )

海馬体(かいばたい)は、記憶や空間学習能力に関わる脳の器官で、動脈血量の減少による局所の貧血(虚血)に対して非常に脆弱であること、ストレスに対しても非常に脆弱であるとされ、心理的・肉体的ストレスの負荷により長期間コルチゾールの分泌されると神経細胞の萎縮を引き起こします。心的外傷後ストレス障害(PTSD)、うつ病の患者にはその萎縮が確認され、統合失調症との関連が指摘されています。
また、最近ではストレス負荷が海馬 歯状回における神経新生を阻害することで海馬機能に変化を与え、記憶・学習能力・情動行動制御に関与していること、未来を創造する時に活性化することが示唆されています。海馬の主細胞 (錐体細胞, 顆粒細胞) が周期的に興奮すると、長期増強反応 (LTP) が最も効率よく発生します。 海馬においてシータ波(θ波)は記憶情報の固定に最適の条件を提供します。
海馬にシータ波(θ波)を発現させるのが内側中隔核、対角帯核アセチルコリン神経で、GABA入力によりシータ波(θ波)を発現。
セロトニンやノルアドレナリンはレム(REM)睡眠を抑制します。レム(REM)睡眠を誘発するアセチルコリン神経を活性化した場合はシータ波(θ波)は出現しない。
正常だとアルファー波(α波)が高く、シータ波(θ波)が低い。働きが悪いとアルファー波(α波)が低く、シータ波(θ波)が高いと知られている。また、シータ波(θ波)が高くなると認知症と考えられています。

アルツハイマー病の主原因は、海馬(CA1)の萎縮から発症し、やがて大脳皮質の前頭葉の一部部位の萎縮して、記憶障害、論理的な思考に影響を及ぼします。
萎縮に対しての病因は、神経細胞の変性により起こります。 神経細胞が分泌したアミロイドβ蛋白質が蓄積され神経細胞のシナプスを破壊して(アミロイドβ蛋白質の固まりははシナプスにとって毒性が有る)、その後、神経細胞の中にタウ蛋白質が沈着(神経原線維変化)により神経細胞が変性を行い萎縮が始まり発症すると報告されています。
アミロイドベータ蛋白質の蓄積は、発症前25年前、タウ蛋白質の沈着は15年前、海馬の萎縮は、5年前から始まり発症すると米国ワシントン大学をリーダーとするDIVAN研究チームが示唆しています。

最近、リハビリテーションにより海馬では、新しい神経細胞を生み出す事が可能と解ってきました。
(運動により神経成長因子「VGF」の分泌を促進される遺伝子の働きが活性化する事が判ってきました。
VGFとは、海馬の神経細胞の修復や成長に関与する物質)

アルツハイマー病の現因とされる蛋白質の凝集を抑える食べ物としては、中鎖脂肪酸、ビタミンE、クルタミン(ウコンに多く含まれる)、カテキン(緑茶に含まれる)、ポリフェノール(ワインに含まれる)、オメガ3脂肪酸(青魚に含まれる)があります。

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   海馬の位置
出典画像:Anatomography
記憶を司る海馬は、目、耳、鼻(日常生活)から記憶のもととなる情報を全て海馬に一度集められ最終的には海馬によって大脳新皮質で永久保存されます。海馬は記憶の定着に重要な役目を果たしています。
海馬を活性化することにより、学習能力アップに繋がります。海馬は、3つの部位からなり、(CA1、CA2、CA3)CA3野の錐体細胞は歯状回からのシナプス入力を受けている部位です。

歯状回、顆粒細胞(Granule Cell)と呼ばれる細胞の層を持ち、その外側は分子層と呼ばれる。顆粒細胞は比較的小型の細胞であり、樹状突起を分子層側に、軸索を海馬のCA3領域の内側に向かって伸張されています。この軸索は苔状繊維とも呼ばれています。

記憶に関わる神経回路はPapez回路と呼ばれています。帯状回が興奮する事で海馬 → 海馬采・脳弓 → 乳頭体(乳頭体視床路を通る)→ 視床前核 → 帯状回 → 海馬傍回 → 海馬体を結ぶ経路で持続的に興奮する事で情動が生まれ記憶に関与する事が知られている。(パペッツ回路)情動・本能などに関与するほか、恐怖・攻撃・性行動・快楽反応にも関与。



脳弓

脳弓・乳頭体 ( 時空間の記憶に関連する部位 )

脳弓(のうきゅう)は、海馬体から出て乳頭体、中隔核に至る神経線維束で、脳梁の下で左右対をなして弓形の形をしていて、脳弓柱、脳弓体、脳弓脚および海馬采に区分されます。

乳頭体(にゅうとうたい)の入力は、海馬・視床下部・中脳から入力が有る。出力は、視床・中脳へ出力される。記憶を司る重要な記憶回路としてPapezとYakovlevが知られています。

Papez回路
海馬 → 脳弓 → 乳頭体 → 乳頭体視床路 → 視床前核 → 帯状回(24野) → 海馬という閉鎖回路を形成。持続的に興奮する事で情動が生まれ記憶に関与する事が知られている。

Yakovlev回路
側頭葉皮質前部(38野) → 扁桃体 → 視床背内側核 → 前頭眼窩皮質 → 鉤状束 → 側頭葉皮質前部という回路を形成。

記憶に関連する他の脳部位として、前脳基底部のマイネルト基底核、ブローカ対角帯、内側中隔核かあり、アセチルコリン神経(ACh)の起始核(産生部位)です。

コルサコフ症候群の責任部位として乳頭体が中心部位とされている。見当識、記銘障害、健忘、作話を主症状とする健忘症候群、記憶の障害、思考障害や時空間秩序の混乱に及ぶ疾患。

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脳弓・乳頭体・中隔核の位置 
出典画像:Anatomography

 


 

海馬傍回

海馬傍回 ( 風景・場所の画像の認識、記憶に関連する部位 )

海馬傍回(かいばぼうかい)は、海馬の周囲に存在する灰白質の大脳皮質領域。この領域は記憶の符号化及び検索において重要な役割を担っている。この領域の前部は嗅周皮質 (perirhinal cortex) 及び、嗅内皮質 (entorhinal cortex) を含んでいます。
海馬傍皮質(海馬傍回の後部)の下位領域で (顔や物体ではなく) 風景の認知に重要な役割を持ち、この脳領域は自然風景や都市風景などの画像 (場所の画像) 、地理的な風景の刺激を呈示された際に高い活動を示します。
損傷した場合は、風景の中にある個々の物体 (人や家具など) は認識出来るにも関わらず視覚的に風景を認識出来なくなるという症状を起こします。
また、顔に対して特異的に活動する皮質領域で顔認知に重要な役割を持つと考えられています。
(紡錘状回顔領域 (Fusiform face area) と補完しあう関係にあると考えられています)記憶に関わる神経回路はPapez回路と呼ばれています。帯状回が興奮する事で海馬 → 海馬采・脳弓 → 乳頭体(乳頭体視床路を通る)→ 視床前核 → 帯状回 → 海馬傍回 → 海馬体を結ぶ経路で持続的に興奮する事で情動が生まれ記憶に関与する事が知られている。(パペッツ回路)
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海馬傍回の位置 
出典画像:Anatomography


側坐核

側坐核 ( ”やる気” 伝達物質GABA産生の部位 )

側坐核(そくざかく)は、約95%は、GABAの産生が最も主要なもので、快感を司っています。
側坐核からは腹側淡蒼球(ventral pallidum)にGABA作動出力。
(セロトニン1B受容体が、側坐核と腹側淡蒼球という “やる気” に関わる2つの領域で活性化)その後、腹側淡蒼球からは視床の背内側核に出力、視床背内側核は大脳新皮質の前頭前野に出力。
腹側被蓋野からのドーパミン入力は側坐核の神経活動を調節すると考えられ、嗜癖性の高い薬物(コカインやアンフェタミンなど)は側坐核においてドーパミンを増加させることで嗜癖作用を有する。
(痛みを和らげる作用もあるとされている、脳内麻薬)また、ドーパミン受容体D3の発現量が多い。他に黒質、脚橋被蓋核(脳幹に位置する神経核、橋)へ出力。
側坐核への主な入力としては、前頭前野、扁桃体、海馬、腹側被蓋野。
側坐核は皮質-線条体-視床-皮質回路の一部としてみなされています。

腹側被蓋野からのドーパミン分泌量を抑制する事により幻覚・妄想を抑制できます。
下垂体からオキシドシンが分泌すると扁桃体では警戒心が緩和され、側坐核では、快感が生まれ愛着の情動が出現すると考えられています。

側坐核の位置図

側坐核の位置図とドーパミン投射部位


マインドフルネス セッション料金

基本料金

1セッション(単発)受講 90分 5,000円

※1名様から可能

玄龍のヨガ教室へ通ってる方は基礎セッションをヨガレッスンと交換することが可能です。

10回チケット 40,000円

 5回チケット  22,500円

3回チケット   13,500円

 

セッション内容

基礎セッション

マインドフルネスの全体像(基礎)90分

マインドフルネス実践  (基礎)90分

マインドフルネスを生活に取り入れる(基礎)90分

※基礎セッションを受講のうえでステップアップ セッションを再受講できます。

 

ステップアップ セッション

経営者のためのマインドフルネス    90分

リーダーのためのマインドフルネス   90分

人間関係のためのマインドフルネス   90分

共感性を高めるマインドフルネス    90分

身体の声を聴くマインドフルネス    90分

アスリートのためのマインドフルネス  90分

アーティストのためのマインドフルネス 90分

心身治癒のためのマインドフルネス   90分

 

大好評!!マインドフルネスを加速させる

当セッションではマインドフルネスを早く深く実践して体感して頂くために
マインドフルネス専用のシリカヒーリングをご希望の方には
ご使用しながら受講して頂くことが可能です。

シリカヒーリングの詳細をご覧になりたい方は

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マインドフルネス セッションのご案内

マインドフルネス セッション受講をご希望の方は事前予約が必要です。

セッション会場

三重県伊勢市宇治浦田3-1-18

ゲストハウス愚狂庵内

 

 

 

マインドフルネス セッションのご案内

元極道から僧侶、起業家、慈善活動家と自己変革を達成したGenryuのコーチング

なぜ今マインドフルネスが求められるのか?

巷で話題になっているマインドフルネス。グーグルでは社員教育にマインドフルネストレーニングの瞑想を取り入れ、ハーバードやスタンフォードといったビジネススクールの名門校でも、マインドフルネスの概念と実践についての講義が用意されています。

現代のビジネスパーソンは、日々マルチタスクに対応し(なんとマルチタスクは仕事の効率を落とし、常態化すると脳にも損傷を与える)、あふれかえる情報を処理しきれずにいる。

「今この瞬間に完全な注意を向けた状態」であるマインドフルネスをつくる方法は、ビジネスの結果を出していくために、必須のスキルであると注目されているのです。

※マルチタスク (multitasking) とは、複数の作業を同時にもしくは短期間に並行して切り替えながら実行することをいう。

マインドフルネスの効果=ビジネスの成果だけではない

このセッションではマインドフルネスが働くことの幸福感や健康にも寄与するということや、その科学的裏付けを述べつつ、実践方法を丁寧に示していきます。

とくに実践方法は、オーソドックスな瞑想から、食べたり歩いたりしながらマインドフルネスを意識する方法、日常の習慣のなかにマインドフルネスを組み込む方法など、多くの方法が提案されているので、どなたも何かしら実行しやすい方法を提案できる自信があります。

 

セッションのポイント

point1   マインドフルネスは、疲弊からすぐに立ち直って冷静な判断をする力、自己認識力、どんな状況でもポジティブでいる力など、混沌とした現代でビジネスの結果を出していく力を養う。マインドフルネストレーニングとして行われる瞑想は、そうした力に対応する脳の部位を発達させることが、研究と調査によって裏付けられている。

point2   マインドフルネストレーニングとは、「注意(力)」を高めて、マインドフルな状態をつくり出すプロセスである。少しずつでも毎日実践し続けることでマインドフルネスは磨かれる。

世界中で起きているマインドフルネス革命

マインドフルネス瞑想の広がり

©iStock/aradaphotography

マインドフルネスとは、「今この瞬間に完全な注意を向けた状態」のこと。「過去や未来に気を散らさず、今、あるがままの感情や思考、場の雰囲気などに十二分に注意を払っている状態」とも言えます。

マインドフルネスのための瞑想トレーニングをいち早く社員教育に取り入れたのは、グーグル。前例のないビジネスをリードし、多様な仲間との摩擦を共創の力に変えていくためには、それぞれの今に「注意を向ける」ことが不可欠なのです。また、社の掲げる「ウェルビーイング」というビジョンにも沿う効果を、マインドフルネスから得ることもできます。

マインドフルネスを重視し、ジムで身体を鍛えるように集中力を鍛えようとする動きは、今や業界を越え、国を越え、世界中に広がっている。日本でも、マインドフルネスのための瞑想は、客観性の高い具体的な方法として、既に一部に受け入れられつつあります。

【マインドフルネスがもたらす、結果を出す力】

不安定な世界を受け入れ、立ち直る力(レジリエンス)

マインドフルネスセッションの受講によって何を得られるのか?

現代の状況を表す、「VUCAワールド」という言葉。この語は、米国陸軍が世界情勢を捉えて表現したものであり、グローバル企業のエグゼクティブにも浸透しつつある。「変動の幅が大きく(Volatility)、不確実で(Uncertainty)、複雑で(Complexity)、問題の所在がどこなのかさえ曖昧な(Ambiguity)」世の中という意味です。

例えば、電化製品の機能を増やせば単純に売れ行きが伸びるかというと、そうではない。新興国で事業拡大のために投資すれば、政情不安のリスクがつきまとう。といったように、企業のリーダーは日々、「VUCAワールド」の不安定な状況のなかでの決断を迫られている。

質の高い意思決定を行うには、コントロールできない世界を前向きに受け入れ、疲弊してもすぐに立ち直れる力が必要だ。この復元力を「レジリエンス」というが、マインドフルネスはその基礎を養うことができる。

いま自分に起きていることに気づく力(セルフ・アウェアネス)

リーダーシップには、自己認識、つまり、自分の考えや感情が他者に与えている影響や価値観に十分に気づいていることが、欠かせません。リーダーが意識を業績や顧客といった外のことにばかり集中し、部下にもそれを強いていると、組織は短期的にはうまくいくかもしれない。しかし、中期的には、楽しく働く人がいなくなり、組織は病んでしまいます。

マインドフルネスを鍛えると、自己認識に関連する脳の部位が発達します。そしてその部位は、他者への共感や理解をうながす部位と深く関連しているのです。すなわち、自己認識をもったうえでこそ、他者の気持ちを汲みとることができるのです。研究結果によると、業績偏重よりも、こうした、他者への思いやりに基づいたリーダーシップのほうが、中長期的には業績に寄与するという結果が出ています。

静寂から幸せを生み出す力(ポジティビティ)

©iStock/Roman_Gorielov

アメリカのポジティブ心理学者の研究によれば、マインドフルネストレーニングを通してポジティビティを高めることができるという。それは、科学的には、いつでも笑顔いっぱいになる、という意味ではなく、つらいことも穏やかに受容できるようになる、という状態を指す。そして、気持ちが上向きで楽観的であると、脳の左側の前頭前野が活性化し、関心が広がったり新しいアイデアを受け入れたりする姿勢が強くなるのです。

また、感情が伝染することも明らかになっている事実だが、上司のポジティビティが高いと、部下のポジティビティも高くなり、仕事のパフォーマンスも向上する。ポジティビティは、個人的なパフォーマンスだけでなく、周囲にも良い影響を与えます。

脳科学的見地からのマインドフルネスの可能性

現代を生きる原始時代の脳

©iStock/ Jezperklauzen

私たちの脳は、不測の事態に遭うと、まず大脳辺縁系で過去の記憶と照らし合わせて「快・不快」、「安全・危険」といった状況を判断します。その情報は、同じ大脳辺縁系の中にある、情動をつくる扁桃体に送られる。すると扁桃体はその判断に対応したストレスホルモンやアドレナリンの分泌を発令する。扁桃体からの発令は、間脳の中にある視床下部にリレーされ、ホルモン分泌や自律神経の働きにより、快や不快の情動が身体の反応として現れる。一方、一度扁桃体がつくった快や不快の情動は、大脳辺縁系に送り返されて記憶され、今後の状況判断の際に参照されることになる。

こうした脳の「連携プレー」は、絶えず他の動物や人間に襲われ、食料の供給も常に不安定だった原始時代には欠かすことのない機能だった。しかし今日、この「連携プレー」のせいで困った事態に陥ることも多い。大昔、命に関わるような出来事に対する反応であった「連携プレー」は、日常のちょっとしたことでも働いてしまうためだ。たとえば、失敗体験の記憶が、新しい仕事に向かうモチベーションをくじいてしまう。また、ちょっとしたトラブルが続いたことでも、カーッと血がのぼって思考が停止してしまう。

先にふれた、VUCAワールドという特徴のある現代社会は、この原始時代と同じ設定の脳の弱点をことさらに露呈させてしまう。変化の激しい時代は、合理的な判断や理性よりも感情を優先させてしまうという脳の自動反応を、ますます促してしまいます。「変化し続ける世界」「変化しない脳」のギャップが、ビジネスにおいても生活においても、私たちを苦しめているのです。

脳を進化させる手段としてのマインドフルネストレーニング

危機的な状況や感情的な場面で、脳の自動反応に流されず、本来の力を発揮できるようになるには、どうすればよいか。大きな効果をもたらすのが、マインドフルネストレーニングなのです。マインドフルネストレーニング、とくに瞑想は、物事に関する理性的な判断をつかさどる大脳新皮質の働きを開発できるということが、学術的研究により近年明らかになっています。

ハーバード大学の研究者が、1万時間以上の瞑想経験のあるチベット仏教の僧侶の脳を測定した結果が紹介されている。それによると、瞑想経験者は、まず、幸福感と結びつく、左側前頭前野が右側前頭前野と比べて活発であるという特徴において、左側への偏重の度合が有意に高かった。また、大脳新皮質の中の、島皮質の部分と、注意力をコントロールする前頭葉の額の出っ張った部分とその上部を厚くすることもわかった。

島皮質は、身体感覚や感情を客観的に認識し、信号を脳の適切な部位にリレーする機能がある。つまり、島皮質の活性化によって、前述の「連携プレー」が起こった後に身体に何が起こっているかを認知することで、理性的な働きが復活し、状況を理解できるようになります。その後、状況とゴールに合わせて、合理的な判断ができるようになるのです。

マインドフルネス セッション料金

【動画】マインドフルネス①脳(ココロ)のエクササイズ  NHK Eテレ サイエンス 2016,08,21

【マインドフルネスの理解を深める】大脳辺縁系のおはなし limbic system